interview

2020.12.05 掲載

新井本龍太郎/BOWABOWA修復株式会社代表

新井本さんは、家具や室内装飾品などの修復を手掛ける職人さん。一方でジャズピアノに取り組み、「大森ジャズ教室」に15年以上通い続けています。「BOWABOWA修復株式会社」代表として多忙な日々を送る新井本さんにとって、ジャズピアノはどんな存在なのでしょうか。お話をうかがいました。

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決めたら、やらないといけない。職人として、社長として。
新井本さんは、もとはギター&ボーカルを担当するバンドマンでした。高校時代に始めたバンドでメジャーデビュー。ツアーにも出て数多くのライブを経験し、4枚のアルバムを世に送り出します。
このバンドマン時代に、音楽活動と両立しやすいという理由から、気軽に始めたアルバイトが、現在のお仕事になりました。
新井本さんは、家具やフローリングの床の傷、外壁のはがれや玄関ドアの凹み、バスタブの割れなど、暮らしに関する様々なものを修復する職人さん。アルバイト時代には、社内の修復技能コンテストで1位に輝いたこともあります。
「大きな会社だから全国に拠点があったんですけど、全国の職人さんのなかでの、1位。自分はこの仕事に向いているんだろうなと思いましたね」

2002年に独立、2011年には「BOWABOWA修復株式会社」を立ち上げ、現在は7人の職人さんのマネージメント業務に力を注いでいます。
「社長として、自分がアルバイト時代に会社からしてほしかったことを、しようと思っています」
職人さんの声を丁寧に拾い上げることも、その一つ。
たとえば「こんなパーツがあれば塗装作業がもっと楽になるのに」という職人さんの意見をもとに、新井本さん自ら塗装用工具に取り付けるパーツを設計。市販されていなかったものを、3Dプリンターで作ってしまいました。制作過程では、夜を徹しての作業もあったといいます。
「やりたいことがたくさんあります。だから、余裕があったらやろう、後でやろうではなく、やると決めたらやる。むしろ、決めたから、やらないといけない。迷う時間がもったいないですから」
そんなストイックな姿勢が、新井本さんが日々の業務に忙殺されることなく、前へ進んでいける秘訣かもしれません。

生活に自然にとけこむ、ジャズピアノ。
一方、ジャズピアノとのつきあい方は、もう少しゆっくり、のんびり。
「今は忙しすぎて手がまわらない。だからあえて、ピアノのことは自分の中でふわっとさせています。やると決めてしまうと、無理してでもやってしまいますから(笑)」

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バンド解散後も音楽は続けたいと、弾き始めたジャズピアノ
当初は、プロミュージシャンとして活動していたこともあって、新井本さんの音楽に対する見方は、ある意味、シビアで現実的でした。
「音楽で気持ちが伝わるとか、元気になるといったことは、受け取り手次第のことで、音楽そのものに力があるとはあんまり思っていなかったんですよね」
ところがジャズと向かい合うなかで、ご自身も演奏を聞いて思わず泣いてしまうなど、心を揺さぶられる体験を何度かし、音楽には確かに、人の気持ちに訴える力があると思うようになりました。
「音楽の、心を動かす神通力みたいなものを身に付けたいですね。いつかはジャズピアノで世に出たい、やってやるぞという気持ちはずっとあるんです。でも今は気負わず、僕にとってはごく自然に、生活の一部としてジャズピアノがあります」
もちろんずっと弾き続けますと、笑顔で語ってくださった新井本さんでした。

取材当時2020年8月 (ライター/かわださやか)

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新井本龍太郎(にいもとりゅうたろう)

1978年11月27日神戸市生まれ。高校時代に始めたバンドでギター&ボーカルを担当。卒業後、メジャーデビュー。ツアーを行うなど多くのライブを経験し、4枚のアルバムを発表。バンド解散後は、音楽活動のかたわらアルバイトをしていた家具や室内装飾品の修復の仕事に力を入れ、2002年独立。2011年「BOWABOWA修復株式会社」創立。

BOWABOWA修復株式会社
https://bowabowa.jp